産業の米について
みなさんは「産業の米」という言葉をご存じでしょうか?
私を含むたいていの日本人は米を主食に大きく育ってきたことでしょう。
「大きく育つこと」を「米」にかけて産業が大きく成長する際に中枢を担う物を「産業の米」と表現することがあります。
「産業の米」は幅広い分野で利用され、産業全体の基盤となり、生活に必要不可欠なもののことを指します。
かつて、1950~1970年の日本の高度経済成長を支えた「鉄鋼」に始まり、
1970~1990年はコンピュータの登場に欠かせないCPUやRAMに必要な「半導体」、
1990~2010年はインターネットをはじめとする「IT(通信技術)」、
そして現代の2010年~2030年は世界中が通信できるようになったことから「データ」を使った、クラウド・SNS・ビッグデータなどのアプリケーションがたくさん登場しています。またスマホやタブレットなどのモバイル端末もデータ時代の波を作るのに欠かせないものとなっています。これから急速に発展すると予想されるAI、人工知能もデータを使ったアプリケーションのひとつになります。
これまでの時代背景から見ると面白いように20年周期で「産業の米」が移り変わって行っています。先日の記事にもあるように現代の「産業の米」は前代の「産業の米」を基盤として「螺旋的発展」を遂げていっているように感じます。
次の「産業の米」は「〇〇〇〇」の時代
それでは質問です。2030年からの次代の「産業の米」はなんでしょうか?
未来のことは誰にもわかりませんが、多くの経済学者が「ロボット(自動化機械)」の時代だと予想しています。僕もそう思います。
「産業の米」を振り返ると「ロボット」への基盤関係が見えてきます。
「鉄鋼」によってロボットの外形となる筐体を作り、「半導体」によってロボットの脳を作り、「通信技術」によってロボットとほかのアプリケーションとの通信網を作り、「データ」によって人間の代わり以上の作業する情報を持たせる。このように「ロボット」を作るためにこれまでの「鉄鋼・半導体・通信技術・データ」の発展があったとまで言えるのではないでしょうか。(どこかのSF映画かわかりませんが、ロボットが人間を殺す時代も来るかもしれません。)
人間のように疲れることがなく、感情を持たない「ロボット」は反復性のある物理作業を得意とします。すでに工場の組み立て作業にはロボットが進出していますし、さらなる技術革新によって、複雑な作業にも対応できるようになるでしょう。
さきほども説明したように「ロボット」は人間のように「休日が欲しい」、「残業が多い」、「今日は気分が悪い」などと感情を持ちませんし、もちろん長期使用による故障はあっても身体的な疲労はありません。もちろん集中力や思考力が低下することもないです。
そして、人間は優秀な人もいれば、そうでない人もいてそれぞれ能力が違います。「この人は優秀だから、この仕事を任せておけば間違いない」「あの人だと不安だ」などのように能力の差で仕事を考えなければなりません。しかし「ロボット」は個人の作業生産性の差がありません。同じハード・ソフトであれば同じように仕事してくれるのです。ベテラン・若手の差が出ないのも「ロボット」のメリットでしょう。
したがって、近い未来、多くの企業が人件費削減のためにロボットの採用を急速に進めていくことになり、「ロボット」は間違いなく仕事で活躍する場が増えます。その結果、今まで10人で行っていた仕事を1人でできるようになり、人間にとって嬉しい世界が広がっていきます。ロボットの存在によって、1人当たりの作業生産性は確実に向上します。社長ひとりとロボットだけの会社も出てくる事でしょう。
ロボットの時代は「仕事がない世界」がやってくる!?
しかし、いつの時代も光あるところには闇があるもので10人中最も優秀な1人を除いて9人は失業者となってしまいます。オックスフォード大学のオズボーン准教授によると「10~20年後、約47%の人の仕事が無くなる」という予想を発表し、大きな話題となっています。「産業の米」の周期である、2030年の予想とほぼ一致します。
2030年、あなたは何歳ですか?
そう遠くない将来です。あなたは(自分も)何かしらのスキルを持っていないと失業者になってしまいます。
ロボットの時代では現在の約半数の労働者が失業者となり、同じ時代に解き放たれるということになり、現代よりもっと深刻な格差社会になります。「ロボット」を有効活用できる人はもっと裕福になり、「ロボット」に食われる人は貧困になっていきます。
2030年に始まる、貧困者マラソンに参加しないためにロボットに食われない「スキル」を身につけていかないと、もれなく貧困者マラソンに参加する未来が待っています。
ロボットの時代を意識して、ロボットに食われない「スキル」を身につけていくことが重要で、日々向上心を持っていないと、自分も半数の貧困になってしまう。
fin
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