「人生は分岐点ばかり」
そう感じながら生きている人も少なくないはず。
「今日は何しようか。」「ランチは食べようか。」「どこに行こうか。」「上司から任された、あの仕事はどうしよう?」「新しいパソコンも欲しいな。」「そういえばあのサイトからパスワードを変更しなければ利用できないと言われてたっけ。」。。。
ひとつ決めるだけでも、多くの選択肢の中からひとつを選択する決断をしています。つまり生活が豊かになることで選択肢が多くなり、人生はたくさんの決断に迫られています。
決断の中にも重要な決断や些細な決断があり、私たちはそういった決断の中で生活しています。休日の日に「今日は何しようか。」「今から何食べようか。」「どこに行こうか。」といった決断は「些細な決断」でしょう。対して、進学する大学、会社の就職先の決断などは「重要な決断」と言えることでしょう。
多くの選択肢から決断を下すとき、2択より4択、4択より10択の方が、決断にエネルギーを消費します。つまり選択肢が多ければ多いほど、決断にエネルギーを消費します。
次は決断の回数についての話です。
みなさんは基本的に1日の食事は3回だと思います。仮に自分だけ10回食べないと生きていけない体だとするとどうでしょうか?毎回同じものを食べるのはイヤなので、「何を食べるか」という決断を約2時間に1回することになります。僕は想像したでも吐きそうになります。(決断が多すぎるという意味で。笑)
つまり決断する回数が多ければ多いほどエネルギーを消費します。
心理学の分野において「決断疲れ」という概念があります。
決断疲れとは意思決定を長時間繰り返した後に、決定の質が低下する現象を指し、不合理な意思決定の原因の一つとして理解されています。
人間が何かを決断する時、脳の中で情報を整理し最適と思われる決断をします。そこでは、誰もが少しでも良い判断をしようと全力を尽くして脳を働かせます。(たとえ商品Aと商品Bのどちらかを買うかといった、ごく些細なことでも)
決断をすることが増えれば増えるほど、エネルギーを消耗するため疲れは蓄積することになります。筋肉を使えば体が疲労するように、こうして脳を使えば精神が疲労していくのです。
この「決断疲れ」が進むと、困難な問題に立ち向かう気力はもちろん、モチベーションまで失われて、より「楽」で「受動的」な選択をしがちになっていきます。
「もうそれでいいよ」が口癖になってしまうかもしれません。
おそらくこうした「決断疲れ」からくるモチベーションの低下は多くの人が経験していることでしょう。
かといって、決断を保留しておけば、決断を先延ばしにしているだけにすぎず、後に短時間で大量の決断を迫られることになります。
私たちは決断をしても疲れるし、かといって決断をせずに保留しているとそれも疲れる。そんな時代を生きています。
決断するから今がある
世の中には自分にとって「些細な決断」と「重要な決断」があると説明しました。
そして、この「重要な決断」をした瞬間によって、今の自分が存在しています。
一般的に重要な決断とは、未来を左右する決断のことを言います。結婚、就職、転職、高価な買い物のようなものです。
例えば、
自分がA子と結婚しているのは、自分がA子と結婚することを決断した瞬間があるからです。
自分が会社Aに勤めているのは、自分が会社Aで働くことを決断した瞬間があるからです。
自分が高卒なのは、大学進学をしないという決断をした瞬間があるからです。
自分が太っているのは、日々高カロリーの食事をして、運動しないという決断をした瞬間があるからです。
したがって、重要な決断を下したのは紛れもなく自分であり、今の自分はすべて自分の責任なのです。
自分がお金持ちでないことも、自分の責任。
自動車の免許がないことも、自分の責任。
納得していない会社に勤めていることも、自分の責任。
すべて自分の責任なのです。
重要な決断を下す場面では決して他人任せにせず、自分でしっかり判断して決断することが重要です。そのためには「些細な決断」でエネルギーを消耗しないことです。
次に決断疲れをしない方法を紹介します。
決断疲れをしないためには
そんな中、決断疲れを避けるためにはどうすればよいでしょうか。
その答えは「決断の形式化」になります。
なんでもかんでも決断を形式化するのではなく、「些細な決断」を形式化する意識を持つことが重要になります。つまり「重要な決断」で正しい決断を下せるように、増えすぎた「どうでもいい決断」を少なくする仕組みを作ることです。日常で決断を迫られるような場面で、自動的に答えが出るように決断をあらかじめ決めておくこと、これが「決断の形式化」です。
例えば
・朝は何時に起きる
・シャンプーはこれを使う。
・散髪は2か月に1回、この髪型にする。
・パンツ、靴下はこれを使う。
・1年着なかった服は捨てる。
とかです。
日常の中でこのようなちょっとしたルールを決めることで毎回決断する必要がなくなり、それだけ決断のストレスが減っていきます。
こうして「決断の形式化」を決めることによって、決断疲れによるエネルギーの消耗を防ぐことができます。できることから「決断の形式化」にチャレンジしていこうと思います。
fin
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